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2017.07.11
お知らせ

病院内での薬剤紛失についてのご報告とお詫び

平成29年7月11日

 

病院内での薬剤紛失についてのご報告とお詫び

 

JA長野厚生連南長野医療センター篠ノ井総合病院

統括院長  小 池 健 一

院   長  宮 下 俊 彦

 

 

平成29年7月5日20時頃、中央手術室の薬品庫において、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律で毒薬に指定されている麻酔用筋弛緩剤「エスラックス静注50mg」1瓶が紛失していることが判明いたしました。直ちに手術室内、廃棄物保管場所、その他関係各所を徹底して捜索し、関係職員からの聞き取り調査を行いましたが、現時点においてまだ発見に至っておりません。

当該薬が毒薬であるため7月7日に長野市保健所に報告し、同日午後緊急立入検査を受けております。また、同日長野南警察署にも報告を行い、同日現場検証を受けております。

今回の事態を重く受け止め、リスク統括会議を開催し、その結果、中央手術室への出入りはカードキーによる運用を行っており、状況から判断し、誤ってゴミに紛れ込み廃棄された可能性が高いと判断いたしましたが、他の可能性も否定できず、引き続き、紛失の原因究明および再発防止策について検討してまいります。当面の対策として、薬剤の所在が明確になるように薬品管理表の改訂と管理方法の見直しを行いました。

 

当院において、薬物の管理状況に問題があったのは明らかであり、今後このような事態を起こさぬよう、職員一丸となり、より一層の安全管理に努めていく所存です。

この度は、多大なるご迷惑とご心配をおかけしましたことを、心よりお詫び申し上げます。

 
 

以下に、紛失までの経過と問題点、再発防止策をご報告させていただきます。

 

 

紛失までの経過と問題点、再発防止策

 
1.紛失確認日時:平成29年7月5日(水)20時頃
 
2.紛失した場所:南長野医療センター篠ノ井総合病院中央手術室内
 
3.紛失した薬剤:麻酔用筋弛緩剤「エスラックス静注50mg」1瓶
 
4.紛失発覚までの経過

7月4日(火)21時30分頃

筋弛緩剤の定数確認を実施した。定数30瓶(薬品庫の冷蔵庫内に固定された金庫の中に未使用21瓶、使用済み9瓶)が所在することを確認し、金庫、冷蔵庫、及び薬品庫の施錠を行った。

7月5日(水)7時30分~9時30分

7時30分に薬品庫、冷蔵庫及び金庫を解錠した。10時30分までに手術患者が入室する手術室の担当者が、必要だと考えられるエスラックス数を、薬品管理表に記載して持ち出した(記載された持ち出し数:手術室3, 記載数3瓶; 手術室7, 記載数4瓶; 手術室10, 記載数2瓶、計9瓶)。

7月5日9時30分頃

前日使用したエスラックス補充分9瓶が薬剤科から届き、薬剤の補充を行った際に、薬品庫の冷蔵庫内の金庫に残っていたエスラックス 12瓶と薬品管理表の記載の9瓶と合わせて、定数30瓶となることを確認した。

7月5日9時30分~20時

この間においては、手術終了後、その都度担当看護師が使用済み空瓶と未使用の瓶をそれぞれ薬品庫と金庫に返却し、薬品管理表と確認し問題はなかった。

7月5日20時頃

看護師が、使用薬剤の最終チェックのため、金庫内のエスラックスの残数が17瓶であることを確認した。次に筋弛緩薬台帳に書かれた使用数と、空瓶を確認したところ12瓶であり、残数と合わせると定数より1瓶足りないことが判明した。

 
5.中央手術室内での筋弛緩剤の保管方法

(1)薬剤科から払い出された薬剤は、中央手術室内薬品庫の冷蔵庫内に固定された金庫で保管している。

(2)中央手術室内の薬品庫、冷蔵庫及び金庫は施錠管理している。

(3)エスラックスの定数30瓶
 
6.想定される紛失の原因について

(1)外部からの侵入について

手術室という特性及びカードキーを使用していることから誰でも侵入できる環境にないこと、侵入された形跡がないことから、可能性は極めて低いと考えられる。

(2)病院職員の不注意による置き忘れの可能性

中央手術室内、関係職員のロッカー、机、衣類等の確認を行ったが、発見に至らなかった。

(3)薬剤科の払い出し間違いの可能性

在庫確認を行った結果、否定された。

(4)悪意をもった病院職員による秘匿の可能性

職員、委託業者に聴取を行ったが、当院による追及には限界がある。

(5)誤って廃棄された可能性

未使用のエスラックスを、他の使用済み薬剤と誤認し、廃棄された可能性は否定できない。

 
7.中央手術室内での管理上の問題点
(1)薬品管理表が経時的に記入できるようになっておらず、常に残数の確認ができていなかった。
 
8.再発防止策

判明直後から、管理方法を見直し、常に毒薬の入った金庫の鍵の施錠を確認し、薬剤の所在が明確になるように薬品管理表を改定し、7月10日から実施しています。