病院について

当院のがん医療への取り組み

今や、日本人の2人に1人が「がん」にかかり、また、死因のうち3人に1人は「がん」で亡くなっていることが報告されています。

当院では、長野県がん診療連携協議会に参加するなど、手術療法、薬物療法などの治療をおこなっています。

また、当院ではがんに対する治療だけでなく、各種検診や人間ドックによる早期発見にも注力しているほか、系列の長野PET・画像診断センターの利用や、退院後の在宅生活でも地域の医療機関と連携し、質の高い医療を受けられるように取り組んでいます。

 

治療方針
(1)手術療法

当院では主に外科系の診療科で治療に当たっており、内視鏡や腹腔鏡を用いた、体への負担の少ない「低侵襲治療」を積極的に行っています。

手術療法のメリットとして、ある程度の規模のがんであれば、病巣を物理的に取り除き、根治させることが可能です。手術の際には、がん細胞が残って将来に再発することを防ぐため、病巣だけでなく、がん細胞が転移している可能性のある周囲の正常組織も含めて取り除いたり、周辺のリンパ節も切除し、より確実な根治治療を目指します。

しかし、進行したがんの場合、手術できる範囲を超えて様々な部位へ転移が広がっていることがあります。そのような場合には、他の治療法も組み合わせて、総合的に治療を進めることを選択します。

 

(2)薬物療法

薬を用いてがん細胞の増殖を抑えたり、がん細胞を死滅させる治療法です。使用する薬剤には、抗がん剤、分子標的薬、ホルモン剤、免疫チェックポイント阻害剤など様々な種類があります。よく言われる「化学療法」とは、抗がん剤を用いてがん細胞を殺傷するという治療を行うもので、飲み薬や点滴によって全身に抗がん剤を行き渡らせ、全身に散ったがん細胞を攻撃します。がん細胞への効果がある反面、正常な細胞にも影響が及びやすく、副作用を和らげることが重要となります。

 

(3)医学的適用による未受精卵子、胚(受精卵)の凍結・保存治療

当院では、日本産科婦人科学会の承認を得て、「医学的適応による未受精卵子、胚(受精卵)凍結保存治療を開始することとなりました。

これは、がん治療前に未受精卵子、胚(受精卵)の凍結保存を行うものです。悪性腫瘍に罹患し、外科的治療法、化学療法、放射線療法などの治療を受けた結果、妊娠、出産を経験する前に卵巣機能が低下し、妊孕性(妊娠しやすさ)が失われる場合があります。この可能性に対して、妊孕性を温存する方法の一つが、未受精卵子、胚(受精卵)の凍結保存です。

治療を希望される方は、担当医の紹介状が必要な場合もございますので産婦人科外来へお問い合わせください(平日15時~17時)。

また、精子凍結保存治療においては以前より泌尿器科にて行っておりますので、治療に関しては泌尿器科外来へお問い合わせください。

 

※当院は日本産科婦人科学会妊孕性温存療法実施医療機関(検体保存機関)です。

 

がん患者さんへのサポート
(1)検診、人間ドック

当院では、予防医療にも力を入れています。より多くの方が、がんを早期発見し、早期から治療に取り掛かれるよう、各種の検診、人間ドックのメニューを充実させています。

 

(2)緩和ケア

がんの診断・治療を受ける中では、ステージに関わらず、体にも心にも、様々なつらさが生じてくることがあります。その時、患者さんが自分らしく過ごしてもらえるよう、つらさを予防したり、和らげたりするための治療を、「緩和ケアチーム」が中心になって提供しております。緩和ケアでは、疼痛や呼吸困難等の身体症状の緩和を行うほか、精神的、社会的問題に対応しています。

 

(3)がん患者さんへの相談対応

がんに関する様々な悩みに対して、専門的なスキルを持った医師、認定看護師(がん分野)、地域医療連携に関わる看護師やMSW(医療ソーシャルワーカー)などが対応し、サポートします。

 

○ 主な相談内容

病気、治療への不安

高額療養費、限度額認定証などの申請について

職場、社会復帰に関する問題

セカンドオピニオンを受けたいとき

 

○「がんサロンあい」

がん患者さんやそのご家族にしかわからない、悩みや体験を共有し、お互いの気持ちを支え合うことを目的にしています。

新型コロナのため現在休止中です。

 

(4)がん相談・患者会に関するお問い合わせ先

地域医療連携課

電話番号:026-292-2261(代表) (平日9時~17時)