診療科

膠原病科

概要・治療方針

リウマチ膠原病の診断、治療法はここ十数年で劇的に変化してきています。「From Bench to Bedside」という言葉がありますが、この変化は、基礎的な研究の成果を臨床に応用することでなされてきました。膠原病の多くは慢性疾患であり、時には肺、心臓、腎臓、内分泌系の合併症を伴う事もあり、各科と協力して全身的治療を行っています。

膠原病科で診療する疾患は、全身性エリテマトーデス、全身性強皮症、皮膚筋炎/多発性筋炎、血管炎症候群、混合性結合織病、シェーグレン症候群、成人スチル病、抗リン脂質抗体症候群などです。原因のよくわからない発熱(不明熱)についても、各診療科と協力して診断をつけ、治療を行っています。

ループス腎炎については、腎生検を行い、治療初期からヒドロキシクロロキンや免疫抑制剤を積極的に併用し、内服ステロイドの量をできるだけ減らす努力をしています。ベリムマブやアニフロルマブなどの生物学的製剤の併用も積極的に行っています。

全身性強皮症の皮膚硬化に対して、2021年にリツキシマブが承認されました。本邦の患者さんを対象にした臨床試験で、有効性が証明されています。強皮症に合併する進行性線維化を伴う間質性肺疾患に対するニンテダニブの投与、肺動脈性肺高血圧症に対する内服の肺血管拡張薬の投与も積極的に行っています。

抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎に合併する間質性肺炎に対して、入院後直ちに、ステロイド、シクロホスファミドパルス療法、高用量タクロリムスの3剤併用療法を行っています。ここ3年の実績では、死亡症例なしとなっています。これは、院内や近隣の皮膚科の先生方が、早めに気づいて紹介してくださっているからでもあります。

血管炎では、高安動脈炎/巨細胞性動脈炎に対するトシリズマブ、ANCA関連血管炎に対するリツキシマブやメポリズマブの投与を積極的に行っております。リツキシマブを投与する際は、本邦からのLoVAS試験に基づいて、ステロイドの量は半分に減量して開始しています。

膠原病を疑わせるような病状でお困りの患者さんがいらっしゃいましたら、どうぞご紹介ください。また、コロナ禍がおさまれば、定期的な患者さん向けの講演会、勉強会なども再開する予定です。

医師紹介

永井 立夫 (ながい たつお)

1996(平成8)年卒

役職 健康管理部長、リウマチ膠原病センター長、リウマチ科部長、膠原病科部長
資格 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医
日本リウマチ学会専門医・指導医
日本医師会認定産業医
専門分野 健康管理・人間ドック、膠原病とその類縁疾患の診断と治療
 小川 英佑 (おがわ えいすけ)

2006(平成18)年卒

役職 膠原病科副部長、リウマチ膠原病センター副センター長
資格 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医・指導医
日本リウマチ学会専門医・指導医・登録ソノグラファー・評議員
日本プライマリ・ケア連合学会認定医・指導医
日本化学療法学会抗菌化学療法認定医
日本感染症学会感染症専門医
インフェクションコントロールドクター(ICD)
専門分野 膠原病およびその類縁疾患の診断と治療
原 亮祐 (はら りょうすけ)

2008(平成20)年卒

役職 膠原病科副部長、総合診療科副部長
資格 日本内科学会認定内科専門医・総合内科専門医・内科指導医
日本リウマチ学会専門医・指導医
日本プライマリ・ケア連合学会認定医・指導医
日本病院総合診療医学会認定医
日本専門医機構総合診療専門研修特認指導医
専門分野 膠原病
飯村 幸哉 (いいむら ゆきや)

2016(平成28)年卒

役職 膠原病科医師
資格 日本内科学会内科専門医
日本専門医機構内科専門医
専門分野  膠原病
鈴木 貞博 (すずき さだひろ)

1982(昭和57)年卒

役職 膠原病科顧問、総合診療科顧問
資格 日本内科学会総合内科専門医・指導医
日本プライマリケア連合学会認定医・指導医・評議員
日本リウマチ学会専門医・指導医・評議員
日本病院総合診療医学会認定病院総合診療医
日本医師会認定産業医
専門分野 膠原病全般の診断と治療
関節リウマチの内科的治療
不明熱疾患の診断と治療

 

担当医表

リウマチ膠原病
センター
午前 下島

坂口
永井
飯村
浦野(予約)
小野②④⑤
永井
小川
野中
浦野(予約②④⑤)
小川
飯村
交代制
浦野②④⑤(予約)
鈴木貞

浦野(予約)
小野②④⑤
午後

(予約のみ)

下島
交代制
浦野
松井
中村(不定期)
野中 林①③⑤ 鈴木

*担当医表はリウマチ膠原病センターのものです。
*詳細は外来へお問い合わせください。
*土曜日は休診です。