センター

睡眠呼吸センター

診療科の特徴

当センターは、日本睡眠学会専門医療機関(A型)に認定されており、睡眠障害全般を扱いますが、マンパワーの問題から“睡眠時無呼吸症候群”を主体とした睡眠呼吸障害を中心とした睡眠呼吸障害の診断と治療を行っています。

睡眠時無呼吸症候群は、メタボリックシンドロームや最近認知症との関連も取り立たされるようになり、症候、診断、治療において複数の領域にまたがる疾患です。このため、当院においては、呼吸器内科だけでなく、内科、耳鼻咽喉科、歯科口腔外科、心療内科と連携をとりながら、医師・臨床検査技師・看護師・理学療法士・栄養士・臨床工学技士・事務職員により構成されたスタッフとともに診察と治療を行っています。

当院では、2000年秋より簡易ポリグラフィー、2001年6月より終夜睡眠ポリソムノグラフィー(PSG)を導入し、2006年に日本睡眠学会睡眠医療認定機関(A型)に長野県内で初めて認定され、2008年4月にセンター化されました。2025年度PSG 147件、累計 4051件、経鼻的持続陽圧呼吸療法(CPAP)導入患者数は2800名以上におよんでいます。ナルコレプシーの診断に必須である睡眠潜時反復検査(MSLT)は2025年度 10件、累計 129件でした。MSLTに関しては長野医療圏だけでなく長野県全域からご紹介をいただいており、睡眠学会認定機関としては年5件でよいところを2倍以上の数をこなしている状態です。それに加え、ここ数年小児のご紹介が増加しており、年間10件以上のPSGを施行しています。監視下の検査症例増加が著しく、対応技師の勤務体制を考えますとこれ以上の検査枠確保は難しい状態です。

長野県内には専門医療機関が少なく、感染に留意しながらの診療となりますので、予約・検査待ち期間が長く大変ご迷惑をおかけしております。このため治療導入後落ち着いている患者さん方は紹介医へ積極的にお返ししています。

2026年6月の診療報酬改定に伴い、肥満治療薬として発売されておりました持続性GIP/GLP受容体作動薬に中等度以上の閉塞性睡眠時無呼吸症候群の効能又は効果が追加されました。現在の当センターの体制ではこちらへの対応は現状困難と考えております。体制が整い受け入れ可能となりましたらご案内させていただきます。

外来は、水曜日午前、完全予約制です(事前に紹介状が必要です)。

 

主な疾患と治療方法

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)
概要

睡眠中に無呼吸を繰り返すことで、様々な合併症を起こす病気です。

疫学

成人男性の約3~7%、女性の約2~5%にみられます。男性では40歳~50歳代が半数以上を占める一方で、女性では閉経後に増加します。
発症のメカニズム
空気の通り道である上気道が狭くなることが原因です。首まわりの脂肪の沈着が多いと上気道は狭くなりやすく、肥満はSASと深く関係しています。扁桃肥大、舌が大きいことや、鼻炎・鼻中隔弯曲といった鼻の病気も原因となります。あごが後退していたり、あごが小さいこともSASの原因となり、肥満でなくてもSASになります。

症状

いびき、夜間の頻尿、日中の眠気や起床時の頭痛などを認めます。日中の眠気は、作業効率の低下、居眠り運転事故や労働災害の原因にもなります。

診断

問診などでSASが疑われる場合は、携帯型装置による簡易検査(簡易睡眠ポリグラフ検査)や終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)にて睡眠中の呼吸状態の評価を行います。PSGにて、1時間あたりの無呼吸と低呼吸を合わせた回数である無呼吸低呼吸指数(AHI)が5以上であり、かつ上記の症状を伴う際にSASと診断します。その重症度はAHI5~15を軽症、15~30を中等症、30以上を重症としています。

  1. 簡易睡眠ポリグラフ検査:口・鼻のセンサーで呼吸状態と指で酸素濃度を測定するもので、紹介日当日もしくは予約日に、内科外来で説明を受け、器械をお持ち帰りいただき、ご自宅で検査を行い、翌日器械を返却していただきます。解析結果は、次回外来予約時にお話しいたします。
  2. 終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG):1泊2日の入院で検査を行います。脳波、目の動き、顎の筋電図、鼻・口の空気の流れ、心電図、胸・腹部の動き、体位、足の動き、動脈中の酸素の濃度を連続的に記録するものです。結果は次回外来予約時にお話しいたします。
治療

PSGでAHIが15以上で日中の眠気などを認めるSASでは、経鼻的持続陽圧呼吸療法(Continuous positive airway pressure:CPAP)が標準的治療とされています。CPAPはマスクを介して持続的に空気を送ることで、狭くなっている気道を広げる治療法です。また、下あごを前方に移動させる口腔内装置(マウスピース)を使用して治療することもあります。小児のSASではアデノイド・口蓋扁桃肥大が原因であることが多く、その際はアデノイド・口蓋扁桃摘出術が有効です。

生活上の注意

肥満者では減量することで無呼吸の程度が軽減することが多く、食生活や運動などの生活習慣の改善を心がけることが重要です。アルコールは睡眠の質を悪化させるので、晩酌は控える必要があります。

予後

成人SASでは高血圧、脳卒中、心筋梗塞などを引き起こす危険性が約3~4倍高くなり、特に、AHI30以上の重症例では心血管系疾患発症の危険性が約5倍にもなります。しかし、CPAP治療にて、健常人と同等まで死亡率を低下させることが明らかになっています。

医師紹介

松尾 明美 (まつお あけみ)

1993(H5)年卒

役職 副院長、呼吸器内科統括部長、睡眠呼吸センター長、臨床研修センター長、感染対策室長
資格 日本睡眠学会総合専門医・指導医
日本内科学会認定内科医・総合内科専門医・指導医
日本呼吸器学会呼吸器専門医・指導医
日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医・指導医
日本結核・非結核性抗酸菌症学会結核・抗酸菌症認定医・指導医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
日本プライマリ・ケア連合学会認定医・指導医
日本病院総合診療医学会認定病院総合診療医・指導医
日本専門医機構総合診療専門研修特任指導医
日本感染症学会推薦ICD制度協議会インフェクションコントロールドクター
肺がんCT検診認定機構CT検診認定医師
日本医師会認定産業医
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会呼吸ケア指導士
日本救急医学会ICLSインストラクター
JMECCインストラクター
専門分野 睡眠呼吸障害、過敏性肺炎、呼吸管理、抗酸菌症

担当医表

担当医 松尾

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