関節疾患スポーツ障害治療センター
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概要・診療方針
当センターは整形外科外来の中に併設される形で、2009年4月に発足しました。スタッフは当初、当センターを整形外科外来、病棟や医事部門がサポートする形でしたが、2010年4月に整形外科外来のすぐ隣に入院予定患者センターが開設され、予約手術の多い関節疾患スポーツ障害治療センターで治療を受ける患者さんの利便性が向上しています。よく、「あし・こしの痛みJと言われますが、膝か、腰に痛みを感じないで生涯を終わる人は、いないとさえ言われます。当センターでは、患者数の多い膝関節を中心とした下肢の疼痛性疾患と私が今まで研究面も含めて取り組んできた股関節疾患に加えて、スポーツによる下肢の障害を対象に専門性を生かした診療を行っています。また、人口の高齢化に伴って増えつつある骨粗繋症に伴う骨脆弱性骨折の予測・機序・診断・治療に、臨床と基礎的研究の両面から取り組んでいます。当センターにて治療を受けた患者さんは、私が信州大学と中信松本病院に足かけ15年以上勤務していたこともあるためか中南信在住の方も多く、約半数が篠ノ井病院まで片道50km以上の遠方より来院して頂いております。また、福島・東京・静岡・福井・大阪・徳島など県外から通院して頂いている患者さんも少数ながら、いらっしゃいます。
私が当院に赴任した2003年7月から11年間弱の手術件数は、週刊誌に載るほど多くはありませんが、当センターでは一人一人の患者さんに対して自己血輸血や自家骨移植を積極的に行い、安全で長持ちする手術を目指しております。膝関節に関しては、人工関節置換術:200件、関節鏡手術:170件(うち前十字靭帯再建術:20件)、関節形成術(高位脛骨骨切り術など)25件ですが、私が特に専門とする股関節に関しては、人工関節置換術:780件(通算*で約1100件)、関節形成術(寛骨臼回転骨切り術など):95件(通算*で約165件)、人工骨頭挿入術:260件となっています(*:通算とは、丸山の前任地の病院からの合計)。こうした関節外科に関する診断と治療法は、信州大学整形外科での診療経験だけではなく、1994~1996年に、人工膝は米国·Harvard大学、人エ股は米国・Indiana大学に私がそれぞれ留学した経験が元になっており、後者の大学とは今でも治療が難しい症例の検討などで交流しています。また、学術活動も積極的に行っており、昨年(2013年)の発表は、国際学会:3題、国内学会:10題で、論文もここ数年で国際誌(英文誌)に4本掲載(英文署書も1本)され、ここ篠ノ井の地から世界に向けて、術式や手術方法などの新しい情報を積極的に発信しております。さらに、若手医師は、次の世代を背負ってくれる大切な存在ですので、当センターではこうした医師の育成にもカを入れており、手術方法の伝授や学会発表の指導なども積極的に行っております。
スポーツの分野では、院外活動として、スポーツに取り組む人たちの健康管理やスポーツ障害・治療の啓蒙活動などにも取り組んできました。具体的には、長野オリンピックを契機に17年前から2年前までは検査官としてドーピング検査を行ってきました。今では、スケート競技を中心とした大会救護などを中心に活動しています。地域の皆様には、2013年4月13日に、篠ノ井病院祭(あい祭り)の前日企画として、「骨と関節の講演会」と題して、丸山センター長の講演会を開催させて頂き、405名にご参加頂きました。今は健康と思っていても、将来、関節の疾患を発病した時のことや、知らず知らずのうちに骨粗索症が進み骨折し易く(骨脆弱性骨折)なっていたりすることを踏まえて、普段の生活を見直して頂く、一つの契機にして頂けたら幸いと考えています。
今後も地域医療に貢献しつつ、篠ノ井発の医学情報を世界に向けて発信していきたいと考えておりますので、関節疾患スポーツ障害治療センターをよろしくお願いいたします。
医師紹介
丸山 正昭 (まるやま まさあき)
昭和59年卒
役職 | 副院長 関節疾患スポーツ障害治療センター長、整形外科部長 |
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資格 | 日本整形外科学会認定専門医 日本スポーツ協会認定スポーツドクター 麻酔科標榜医 日本人工関節学会認定医 |
専門分野 | 股・膝関節を中心とした下肢の関節外科、スポーツ整形外科、骨粗鬆症 |
野村 博紀 (のむら ひろき)
平成18年卒
役職 | 整形外科副部長 |
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資格 | 日本整形外科学会専門医 日本スポーツ協会公認スポーツドクター |
専門分野 | 股関節・膝関節を中心とした下肢の関節外科、 スポーツ整形外科 |
担当医表
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | |
担当医 | 丸山正 /野村 |
丸山正 /野村 |
詳細は整形外科外来にお尋ねください。