診療支援部門

臨床工学科

概要・方針

医療技術が日進月歩で高度化・専門化するにつれ、あらゆる医療分野で医師の補助業務を行うために専門性を有する医療従事者が必要とされるようになり、看護師、診療放射線技師、臨床検査技師などのコメディカルスタッフ資格の法制化が行われてきました。近年においては、医療機器分野における著しい医療技術革新に伴って医療機器の機能が高度化し、各分野で生体機能代行装置が研究・開発されて医療現場に導入される状況になってきました。
しかし、それらの最先端医療機器装置の安全性を担保し、かつ適正に操作し管理運用するためには、医師及び既存のコメディカルスタッフ資格では対応しきれない高い専門性が必要とされたため、工学的知識を有する医療資格を持たない工学技術者が医療現場で医療業務をする状況が発生してきました。そのため、医療機器に精通した工学的知識を持った医療技術職の法制化を求める社会的欲求が高まり、1998年4月に臨床工学技士法が施行され、臨床工学技士が誕生しました。
臨床工学技士は、医師の指示の下に生命維持管理装置の操作及び保守点検を行うことを業務として、医療の普及および向上に寄与するとともに専門医療技術者であることを十分認識し医療機器の専門家としての最善の努力を払っております。また、医療チームの一員として医師その他の医療関係者と緊密に連携し、常に患者さんの状態を把握し、患者さんの状況に的確に対応した医療を提供するチーム医療の実践を進め、より円滑で効果的な医療の確保に努力してまいります。

業務

現在、臨床工学技士は28名在籍しており、各医療現場において、医師・看護師・医療技術者とチームを組んで生命維持管理装置の操作を行っています。医療機器が何時でも安心して使用できるよう計画的に保守・点検を行い安全性の確保と医療の有効性に貢献しています。

医療機器中央管理業務

病院内の様々な分野で使用される医療機器を安全に使用できるように、また医療機器の性能が十分に発揮され維持できるように計画的に保守・点検を行います。
また、医療機器をME機器管理室で一括中央管理し、効率的で適切な機器運用を可能とし病院経済にも貢献しています。
(人工呼吸器、除細動器、輸液ポンプ、シリンジポンプ、吸引機、各種生体モニター他)

手術室

手術には大小合わせて医療機器が大量に存在します。各科の手術の内容により使用される機器は多種多様であり、手術が円滑・安全に行われるように手術室内の医療機器の操作・保守管理を行います。また、心臓手術の際、心臓や肺の生理機能を代行する人工心肺装置の操作・管理を行っています。

心臓血管カテーテル ペースメーカ業務

心臓カテーテル検査は、心臓病を診断するための検査で手術の適応、術式を決定する重要な検査です。臨床工学技士は検査では冠動脈造影検査・EPSなどに、治療ではPCI・アブレーション・ペースメーカ・植込み式除細動器植込み術などで、医師の解除業務を行い、外回り業務では補助循環装置、体外式ペースメーカ、血管内エコー装置などの操作を行います。
また、ペースメーカ植込み後は、ペースメーカクリニックで患者さんに植え込まれたペースメーカの管理を行い、医師の指示で設定などの変更を行います。

血液浄化業務

腎臓の機能低下により、体内に貯まった老廃物などを排泄・代謝する機能が消失した際に行う治療で、血液透析療法・血漿交換療法・血液吸着療法あど様々な血液浄化療法があります。臨床工学技士はシャント血管への穿刺・血液の回収・人工透析装置の操作を行います。