臨床工学科では、院内に向けて「MEニュース」を発行しています。
内容は、ME機器に関する事で、特に新規導入機器の案内や、機器の使用法について、また医療安全に関してなどのいろいろな情報を定期的にまとめ、A4用紙一枚ですが定期発行を心がけています。
今回は、12月号として輸液ポンプの取り扱い、徘徊マットの取り扱いについて注意事項をまとめ発行しました。
医療安全情報などが入った時は、号外も発行し迅速な情報の提供に努めています。
また、定期的な医療機器の研修会などのご案内も行っています。
医療機器の安全使用は、安全な機器の選択、安全な機器の使用法、安全な機器の保守管理、などが重要です。
院内の医療機器のスペシャリストとして、臨床工学科の役割は拡大していきます。
情報発信も大事な業務です。
院内の医療機器を管理するシステムが更新されました。
当院では、臨床工学科発足当時からME機器管理システムを使用して、院内のME機器の管理を行ってきました。
今回のシステム更新で4代目となります。
当初は自作のパソコンシステムで運用を開始しましたが、次にパソコン一台でのシステムを購入して使用しました。
その次は、それまでのシステムを引き継ぎ、専門のソフト会社に開発を依頼し使用して来ました。
今回4代目ということで、今までの集大成の意味も込めて現在入手可能の既存の市販システムを数社検討しました。
多方面に渡り検討を重ね、当院に合ったシステム、今後に拡張性のあるシステムと言うことでMETS社のME-ARCを導入しました。
タッチ画面による貸し出し返却処理はもとより、最近のタブレット型携帯端末の使用など機能は充実しています。
今後はこの新システムを核に臨床工学科のME機器管理の充実を図って行きたいと思っています。
輸液ポンプは、院内の病棟や外来で一般的に広く使用されているME機器です。
当院では現在の機種を6年間継続使用しています。
機器の更新時期を迎えていますので、次の採用機種の検討を行っています。
基本的には、院内で統一された機種を採用することが、輸液ポンプに関するヒヤリハット事例の防止に有効です。
現在の機種は、6年前に当時院内に3種類あった輸液ポンプを、1種類に統一してきたものです。
この間の輸液ポンプに関するヒヤリハット報告はほぼゼロになりました。
そしてそれを踏まえて、今後の更新に向けての機種選定会が今回開催されました。
輸液ポンプは、薬剤を一定の速度で注入する「点滴療法」に使用されますが、ポンプに使用する専用点滴チューブが必要です。
このチューブは、点滴毎に使用しますので消耗品となります。
輸液ポンプを長く使用していくには、この消耗品との兼ね合いも重要です。
もちろん、輸液ポンプ自体の保守点検やその費用も考慮しなければなりません。
病院内の外来病棟で広く使用されるME機器の輸液ポンプであるだけに、その機種選定は重要です。
一番は使用される現場のナースの皆さんに安心して使用でき、使用に際して使いやすくミスの出ずらい機種が最適です。
今回は国内の3社で発売されている機種を中心に、検討会がされました。
ME機器の担当部署として、安全に考慮した、メンテナンス性の良い、それでいて経済性の良い機種選定をしなければなりません。
先日の松本山雅の松田選手の訃報には驚くとともに、心からご冥福をお祈りします。
さて、心筋梗塞で病院に運ばれてから補助人工心肺を装着?と記事にありましたが、
その補助人工心肺って何でしょう?装置を扱う臨床工学技士の立場からご説明します。
まずは心臓と肺の説明から・・・。
心臓は胸のやや左にある筋肉の袋状の臓器で、全身に酸素や栄養素を含む血液を送り出すポンプの役割を果たしています。肺は両胸にあり、酸素を血液中に取り込み、二酸化炭素を体内から排出する役割をしています。心臓も肺も、もっとも重要な臓器の一つであり心臓が止まってしまうと人は死んでしまい、肺も機能しなくなってしまうといずれ死に至ります。心不全や心筋梗塞などで心臓の働きが弱くなり、機能しなくなってしまうと、脳をはじめ体内の各臓器は働くことができなくなります。また、血液の塊が肺の血管に詰まってしまうような状態(肺塞栓、エコノミークラス症候群)や、肺の機能自体が弱くなってしまうような状態になると、全身の酸素が不足してしまい、各臓器は機能しなくなってしまいます。
このような患者さんに使用されるのが生命維持管理装置です。その中でも心臓と肺の機能を代行するのが、心肺補助装置(経皮的心肺補助装置:PCPS)です。この装置は、全身に血液を送る心臓の機能と換気をする肺の機能の代わりをする装置で、チューブを使って体外に血液を出して、心臓の代わりをするポンプと人工肺を通して豊富に酸素が含まれる血液を体に戻します。心臓の機能が弱くなってしまった患者さんには更に、大動脈(体内で一番大きな動脈)に風船のついた管を入れて風船の拡張と収縮を利用して心臓を補助し全身に血液を送る装置(大動脈バルーンパンピング:IABP)も同時に使用します。
ICUなど集中治療室では、このような各種生命維持管理装置を単独あるいは組み合わせて患者さんの治療に当たっていきます。装置の使用は長時間に及ぶことがありますので、装置の装着や維持管理、装置の使用の中止などは医師はじめとした臨床工学技士を含めた医療チームであたります。
このような装置は、生命の維持管理に必要ですが、できれば頻繁に使われないことを祈っています。
医療機器の専門学会である「日本医療機器学会」が開催され、参加と演題発表を行ないました。
同学会は、医療機器の最新情報や情報交換の場として、今回で第86回と歴史のある学会です。
今回の会場は、「パシフィコ横浜」でした。ここは近年、学会・研究会場としよく使われています。
3日間に渡る会期中には、同学会が認定する各種認定士向けのセミナーの開催、シンポジウム、
ワークショップなど多数と一般演題も134題出されています。
更に、関係業者からのメディカルショージャパンも開催されました。
今回当院からは、透析装置関連での新技術導入の報告をしました。
当院の透析室は開設以来40年にに渡り地域の皆様に良質の透析療法の提供を目指してきました。
近年の透析療法では、その透析液の水質改善維持が透析療法の質を問う要因になっています。
今回当院で導入した透析用水処理装置と近年導入している最新透析装置との組み合わせで、
透析用水処理装置から透析装置までの、切れ目のない消毒システムが完成しました。
従来は、透析装置の消毒は毎日行ないますが、水処理装置の消毒は毎日は行なわず、
一年に一度か二度の定期点検時のみ行なっていました。
そして、水処理装置から透析装置への繋ぎの部分には消毒が行なえない部分も存在していました。
今回の新システムでは、水処理装置の消毒運転が自動になり毎週行なわれるようになりました。
そして、未消毒部分も消毒ができるようになりました。
消毒システムには熱湯消毒を採用し、残留薬剤のない安全性と、排水に薬剤の出ない環境にやさしい
経済的にも優れたシステムとなりました。
今後、透析液の更なる清浄化とその維持に有効に働くものと期待して発表を終わりました。
臨床工学科の取り組みとして、学会研究会に参加して最新情報の入手、さらに当院の研究の発表。
今後も継続して行きたいと考えています。









