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リハビリテーション科科長 五十嵐功
■高齢者にとって転倒による骨折などの怪我は、寝たきりの原因にもなりますので転倒しないように注意しなければなりません。
体力が衰えたり、足腰が弱くなってくるとどうしても転びやすくなりますね?
そうですね。
やはり若い頃と違って筋力も落ちますし、視力や平衡感覚なども低下してきますので、全体的に反応が悪くなってしまうことが原因ではないでしょうか。
■高齢者の中でもよく運動している方は、そうでない方に比べ転倒しにくいということもあるのでしようか?
やはり、何らかの原因でバランスを崩して転倒するというのが基本です。
ですから、そうした時の反応等はもともと持っているその方の身体の能力というものにも関係があります。
若い頃からいろいろな運動などをやってきて身体の能力が高い方のほうが、回避能力も高いかも知れません。
■高齢者の場合、転倒することによってとのような影響があるのでしようか?
いろいろなことが考えられますが、転倒の衝撃による骨折が大きな問題だと思います。
転んだ時に手をついたりしますので、手首や肩を骨折する方もいらっしゃいます。
■骨折によって寝たきりになってしまうという事をよく聞くのですがどのようなことでしようか?
骨折を治療する為には、安静を強いられることがどうしてもあります。
安静が長期に続いたりすると、今言われている廃用症候群といって、体力が落ちて動けなくなってしまうということが起こってきます。
■さて、皆さんの家の中をもう一度見回してください。
お年寄りがつまづいて転ぶ物が意外と多いのです。
これは座布団や新聞の広告、ちょっとした段差等が有りますね。
段差といえば、敷居などが有ります。
転倒は、そうした障害物等に「つまづく」ことや、「滑る」といったことで起こります。
「滑る」ということでは、女性の場合ですと家事をされる時など、水滴が落ちていたりすると良く滑りますよね。
この他、広告なども非常に滑りやすいのです。
普段あまり気づいていないような物で滑るということが多いように思います。
■転ぶというと屋外で転ぶというイメージが強いのですが、家の中もけっこう危険がいっぱいあるのですね。
足腰が弱い方にとってはジャングルのようなものですね。
屋外、屋内関係なく自分が予測していないような状況に出会うと転倒してしまうことはありうる事かもしれません。
最近の家屋は、バリアフリーの環境が多いですよね。
こうした環境に慣れてしまうと段差など障害物が無いことに慣れてしまう傾向があるのです。
ご自宅などでは良いのですが、たまたま他の家にお茶を飲みに行ったりすると、いつもの慣れというものが体に染み込んでいるので、自分が積極的に気をつけないと危険なことがあります。
■転ばないようにする為には、どんな工夫が必要でしようか?
家の中の環境をバリアフリーにすることは良いのですが、足を上げたり、またぐこと等の動作がなくなってくることは、体の機能を考えると、一概に良いことばかりとはいえないのです。
水や野菜の切れ端等も滑る原因になるので、身の回りを整理するとか、手すりを要所に付けておいて、いざという時にはそれにつかまろうといった心構えも必要かもしれません。
■家の中も、危険がいっぱい。障害物を置かないようにといった工夫が必要です。
脚が弱くなってきたと感じる皆さんもいると思うのですが、どのように予防していったら良いのでしようか?
特別に運動を始めようというのはなかなか難しいことなので、車で行くようなところでも歩くことが出来るのでしたら歩いてみるとか、階段を使ってみるとか、日常生活の中でより多く身体を活動させることが基本だと思います。
「1カ月に1回とか2週間に1回とか3時間やりました」ということよりも毎日20分程度でもやれることが大切です。
習慣性を持てるように楽しく行なえる範囲で始めていくことが良いと思います。
■「脚が痛いから」、「腰が痛いから」といって動かないことは良いことではないのですね?
痛みの種類や原因等によって違うと思いますし、一概には言えませんが、できる範囲内で運動を行なったほうが良いのではないでしょうか。
痛い部分、たとえば関節痛等では、関節を動かさなくても筋力をつける方法も有りますし、施設のプール等を利用すれば、膝の痛みがある方でも浮力の助けを借りて、歩く練習が出来る場合もあります。
「駄目だな」と思わないで、危険のない範囲で、工夫してやっていただくことが大切だと思います。
聞き手 篠ノ井有線放送 放送主任 坂口由利子さん
■心がけて転倒予防
1.体幹(胴)、下肢、上肢の筋力
生活の中や運動を通して体を動かし、しっかりと体重を支えて歩く事が出来る機能を持ちましょう。
2.バランス能力
つまづいたり、ふらついた時に転倒しないように、体の平衡を保つ機能を維持、改善しましょう。
3.柔軟性
体の柔軟性を維持、改善し、バランス反応を効率よく使える機能をもちましょう。
4.注意力・判断力
障害物を認識するカや、その他危険な状況を判断し、転倒しないようにする能力を持ちましょう。
5.身の回りの整理、整頓に心がけましょう。








