身体の広範囲に高度の疼痛を起こす線維筋痛症の病名は、欧米ではよくある病気として一般の人にも広まっています。
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■身体の広範囲に高度の疼痛を起こす線維筋痛症の病名は、欧米ではよくある病気として一般の人にも広まっています。
病気の原因はまだ解明されていません。我国では今まで充分に知られていませんでした。
最近はリウマチ科の医師を中心に、診断と治療が行われるようになりました。
■2003年に厚生労働省の調査研究班が立ち上げられ、調査が始められています。
米国における有病率の調査では、女性で3.4%、男性は0.5%、人口の2%といわれ、女性に圧倒的に多い病気です。
日本では厚労省の調査班が人口の1.7%という結果を報告しています。
■症状は首から上肢にかけての痛みやしびれ、腰背部の疼痛やこわばり感、臀部から下肢の痛みやしびれ、頭痛など様々な痛みの症状があります。
そのほか不眠、疲労感、頻尿、下痢、月経困難、生理不順など身体症状、悪夢、焦燥感、不安感、憂鬱感などの精神的症状、あるいは、全身のこわばり感、冷感、四肢のだるさ、関節痛、自覚的な関節の腫れなどのリウマチ症状を訴える患者さんもいます。
レントゲン写真、CTスキャンあるいはMRIでもこの病気特有の異常所見はなく、この病気が診断できる特別な検査はありません。
■ではどのように診断されるかと言いますと、アメリカリウマチ学会の分類基準を参考に診断されます。
全身広範囲の疼痛のほか、特徴的な圧痛点が挙げられています。18個のうち11ケ所以上、指圧による疼痛を感じると陽性と判定されます。
■治療の基本は薬物療法と運動療法です。
治療薬は、最初に痛み止めが使われますが、効果がない場合が多いようです。
精神安定剤、あるいは三環系抗うつ剤、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害剤)、SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤)など抗うつ剤が投与される場合があります。誰にも効果がみられる薬はありません。一種類で効果がない場合は何種類かの薬を数週間ごとに試してみる場合もあります。
■そのほか水泳、エアロビクス、ウオーキング、体操、ヨガ、太極拳などの軽い運動、また、指圧、マッサージ、カイロプラクティックなども有効な場合があります。
自分で積極的に運動療法を進めることにより、かなり症状が改善する場合もあります。
■また、イライラや不安など心理的な葛藤が痛みの増強につながるようです。
職場や家庭内のトラブルなど精神的なストレスでも疼痛が増強することがあり、認知行動療法など心理療法も疼痛改善に応用される場合もあります。
■更に、線維筋痛症が他のリウマチ性疾患に合併している場合が多々みられます。
よくあるのが、シェーグレン症候群と脊椎関節炎です。それぞれ専門の検査をしないと確定診断がつきません。この検査については専門医にご相談ください。
リウマチ科医長 浦野房三
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