アトピー性皮膚炎について
アトピー性皮膚炎は、アレルギー素因と皮膚が弱いという皮膚のバリア障害が病気の本態と考えられています。


■アトピー性皮膚炎は、アレルギー素因と皮膚が弱いという皮膚のバリア障害が病気の本態と考えられています。

この病気については、様々な情報があり怖い病気で、一生治らないと考えられているかたも多いようです。

この病気の患者さんがそれぞれどんな経過をとるかということは、ひとりの医師が何年もの経過を追うことができないので難しいことです。

九州大学大学院の古江増隆教授(皮膚科学)が大学病院のカルテをていねいに調べ、4つの型があることを発表しています。



■まず

①幼児期に治癒してしまう型、

②乳幼児期に発症してゆっくり治癒したり、生活に支障のない程度に軽くなる型、

③いったん治癒したあとに思春期以降に再発する型、

④5歳以降に発症し数年の経過でまたよくなっていく型(40歳以降の発症はまれ)です。

これを見てもアトピー性皮膚炎は一生治らないという病気ではないようです。



■1歳以下の乳児期に顔、からだのじゅくじゅくするアトピー性皮膚炎は非常に多いようですが、この乳児のアトピー性皮膚炎も1歳前後に多くは自然緩解といって、よくなってくることも分かっています。



■こうしたアトピー性皮膚炎の経過、食事での除去食療法の意義(全員に必要ではないこと)、保湿するスキンケアが大切なこと、新しい薬であるプロトピック軟膏の効果など、アトピー性皮膚炎についていろいろなことが分かって来ています。



■数年前まではステロイド軟膏を拒否される患者さんが多く、とびひ、単純ヘルペス感染症を起こし重症化し入院する患者さんが多く苦労しました。

現在、ステロイド軟膏を使用しないという方はかなり減りました。

ステロイド剤はもともと内服剤でしたが外用剤では副作用がないため開発され、世界中で使われている薬で、吸収されて副作用を起こすことはありません。



■アトピー性皮膚炎はよくなったり、悪くなったりを繰り返す皮膚病です。

6ヶ月から1年すると症状が悪化した患者でも、その患者さんのベースのラインまで戻ってよくなってきます。

アトピー性皮膚炎に関わる情報は非常に多く、東京では一人のアトピー性皮膚炎の患者が、平均7軒の医療機関を受診しているという統計があります。



■アトピー性皮膚炎の細かなことは書きませんでしたが、大多数の方は治療のゴールを定めてあせらずゆっくり、よくなって薬をつけるのを忘れるほどになるまで、上手にこの病気と普通の治療で付き合うのがよいのでないでしょうか。