頭痛について 一刻も早く治したい
頭痛の診断や治療が最近変わってきたと聞きますが

○宮下先生、今日は宜しくお願いします。
早速ですが頭痛の診断や治療が最近変わってきたと聞きますがどのような変化でしょうか。


■頭痛には緊張型頭痛・片頭痛・群発頭痛など頭痛そのものが診断名となる頭痛と、外傷や血管障害、脳腫瘍、感染症など疾患に伴う頭痛があります。

    頭痛の分類
  • 一次性頭痛(機能性頭痛) 片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛など
  • 二次性頭痛(症候性頭痛) 外傷、血管障害、感染症などによる頭痛

■緊張型頭痛・片頭痛・群発頭痛などの頭痛は多くの場合、慢性の経過をとります。
この中で片頭痛に対しては、約5年前から新しい薬(トリプタン系の薬)が出てきたことにより痛みのもとから絶つ治療ができるようになってきました。
しかし、片頭痛を完全になくしてしまうことはできません。
片頭痛をきちんと診断することにより、つらい痛みをうまくコントロールできるような治療ができるようになってきています。

○片頭痛はどのように診断するのでしょうか。

■お話を開くこと(問診)が中心です。片頭痛は時々起きる頭痛ですが、ズキズキとした拍動性の痛み、頭の片側に起きることが多い痛みが特徴です。

    片頭痛の特徴
  • 片側(両側のこともあり)
  • 体を動かすと痛みが増す
  • ズキンズキンとする脈打つような痛み
  • ひどくなると寝込んでしまう
  • 光過敏・音過敏(光・音が気になる)
  • 悪心・嘔吐
  • においが気になる
  • 前兆を伴うことあり

■頭痛の始まる前にギザギザとした光が見えたり、視野の半分が見にくくなるといった前兆があることがあります。
痛みの場所、強さ、頻度、いつ起きるのか、痛み出すきっかけがないかどうか、音や光に過敏になるようなことがあるか、めまいや吐き気を伴うか、家族に同じような症状を持つ人がいないかなどお話を開いて、診断を進めます。
片頭痛でも肩こり、首筋の張りは経験することはありますし、両側の痛みになることもあります。
今まで緊張型頭痛とされていた頭痛でも片頭痛であることもあります。

○片頭痛で苦しむ方は多いのでしょうか。

■日本人の3分の1くらいは何らかの頭痛を経験し、800万人以上の方に片頭痛があるといわれています。
片頭痛持ちのかなりの方は日常生活に支障をきたしているといわれていますが、つらい痛みを我慢して仕事をやっているのが現状のようです。

○片頭痛はどうしておこるのでしょうか。

■詳しいことはわかりませんが、セロトニンという物質が関係しているといわれています。
血管が拡張して、その拡張した血管の周囲を取り巻く神経(三叉神経)がさらに刺激されておきるといわれています。
したがって脳の血管の病気であるという人もいます。

○片頭痛が起きないようにするにはどうすればよいのでしようか。

■寝不足、寝すぎともに良くないので避け、規則正しい生活をすること、人ごみを避ける、強い光や騒音を避けるといった注意のほか、自分自身で日記をつけ、どんなときに頭痛が起きるのか知っておくのがよいといわれています。
また、食べ物に関係することもあり、偏食を避け、緑黄野菜をきちんと摂ることや、チョコレート・チーズを食べ過ぎないことなどがあげられています。
また、片頭痛が頻繁に起きるときには予防の薬もあります。

○片頭痛が起きたらどうすれぱよいですか。

■頭を冷やして、静かな暗い部屋で寝ているのがいいようです。
もちろん、頭痛のないときに、かかりつけの医療機関で診察を受け、頭痛が起きたときの薬をもらっておくのがよいと思いますが。

○頭痛持ちの方で気を付けなければいけないことはありますか。

■今までにない強い頭痛、発熱を伴う頭痛、手足の麻痺などを伴う頭痛は何かの病気に伴う頭痛のことが多いので、専門の脳神経外科、神経内科等ですぐに診察を受けることが必要です。
くも膜下出血など、命に関わるような病気のことかあります。また、鎮痛薬を漫然と飲むとかえって頭痛がひどくなってしまうといったこともあります。
かかりつけの医師と相談し、いろいろな薬をうまく使って頭痛をうまくコントロールできるようになればよいと思います。

○最後に何か付け加えることはありますか。

■頭痛のつらさは実際苦しんでいる方にしか判りません。
学校や仕事を休まなければならないこともあります。頭痛をお持ちでない周囲の人からみると、仮病の様に見えたり、なまけているように思えることもあるようです。
頭痛は適切な治療が必要な病気であることを理解して頂きたいと思います。
 
○本日はどうもありがとうございました。


脳神経外科部長   宮下俊彦
(聞き手 東洋医学科部長・リウマチ科医長 小野静一)