腰痛と手術(診療部長 北川和三)
人間は、腰痛を経験することなく一生涯を終えることは無い、と言われています。

■人間は、腰痛を経験することなく一生涯を終えることは無い、と言われています。そのくらい一般的な病気ですが、手術にまで至る人はごく僅かです。しかし、手術をしない限り良くならない人もいますので、現在の考え方や現状を紹介します。



■まず、手術を考えた方が良い状態とは、強い腰や下肢の痛みが続き、薬や注射などの治療で良くならず、日常生活に障害がある、下肢や排尿の麻痺を生じてきた、といった状態です。特に、尿が出ないといった排尿の急激な麻痺を生じた場合には、緊急手術が必要です。ただ、腰の病気自体は、ほとんどが本人の苦痛や不便さが問題であり、直接生命とは関係ありませんので、手術を受けるかどうかには本人の考え方、人生観などが関係しています。



■以前は、「手術をすると足が麻痺して歩けなくなるから」と言って手術を拒否する方が結構いましたが、これは手術の安全性と関係します。現在は手術の方法自体も安全ですし、またほとんどその道の専門医が手術を行っていますから、安全性はかなり高いと言えます。だから「手術をして歩けなくなることよりも、手術をしないで麻痺が進んで歩けなくなる可能性のほうが高いですよ」と説明しています。



■手術後の切ったことによる痛みも問題です。これは一時的な問題ですが大きな苦痛ですので、何とか緩和しようと取り組んでいます。最近は麻酔科の医師の協力を得て、この痛みをかなり軽くする事が可能となってきています。



■また、手術後の安静期間(寝ている期間)に関しても以前とはかなり変わっています。手術の内容にもよりますが、以前は2~4週ベッド上で安静にしている事が多かったのですが、現在はほとんどの人が数日以内に立って歩くリハビリを開始しています。



■これは、手術後の必要安静期間に対する考え方の変化や、体内での固定器具の発展などに基き、早期にリハビリを開始し身体機能の早い回復を図ることが非常に大切であるとの観点に立っているからです。(病気の性質や手術の内容により異なりますが。)



■手術により多くの人は症状の改善が得られます。しかし、スッキリと良くなる人、強い症状は取れたが気になる症状を残す人、麻痺の悪化は防止できたが改善しない人など結果は様々です。手術は魔法ではありません。症状が強く、長く続いた人程治りにくい傾向があります。



■もっと詳しく紹介したいのですが以上のことを参考にしていただければ幸いです。