結石治療センターのご案内
センター長 和食 正久


尿路結石の罹患率は食生活・生活習慣などの変化に応じ年々増加しており、2005年の全国集計では男性で7人に1人、女性で15人に1人が生涯の間に一度は罹患するとされました。尿路結石のうち腎・尿管結石は上部尿路結石と呼ばれ、尿路結石全体の95%を占めます。特に尿管結石は激しい痛みを伴います。症状を伴う尿路結石の70%は自然に出ますが、残りの30%には手術を要します。

1984年に本邦に体外衝撃波結石破砕術が導入されてから、尿路結石に対する治療は大きく様変わりしました。以前主流だった開腹手術は現在では1%未満となり、体外衝撃波結石破砕術が約86%と治療の主体となっております。但し、体外衝撃波結石破砕術一辺倒であった結石治療も最近見直されつつあり、大きな腎結石にはPNL(経皮的腎砕石術)という内視鏡手術、尿管結石のうち下部尿管結石にはTUL(経尿道的尿管砕石術)という内視鏡手術を第一選択にするようガイドラインでも推奨されるようになりました。

当院では1992年に、県内で2番目に体外衝撃波結石破砕装置を導入。県内で12施設以上体外衝撃波結石破砕装置が導入されている現在でも、年間200例以上の体外衝撃波結石破砕術を行っております。内視鏡のうち、軟性鏡下での結石破砕治療に必須なレーザー砕石装置を県内で唯一保有している病院が当院です。結石治療に重点をおいている当院では、全ての上部尿路結石に対し開腹手術することなく治療するよう心がけております。

平成19年の手術実績では県内でPNL(4件)を行ったのは当院のみです。また同じく昨年TULを行ったのは県内では4施設で32件。当院で導入している体外衝撃波結石破砕装置(ドルニエ社、リソトリプターSⅡ)が下部尿管結石治療に十分対応可能なため、当院で昨年施行したTULは4件のみでした。ドルニエ社、リソトリプターSⅡによる他施設での体外衝撃波結石破砕術による治療成績に比べ、同じ機種を用いた当院での治療成績(完全排石率75%)はやや劣るという昨年の集計結果でした。これは他院での体外衝撃波結石破砕術で砕石されなかった難治性の結石症例に対しても、患者様の希望があれば破砕効果が良好とされる当院の体外衝撃波結石破砕装置で再度体外衝撃波結石破砕術を試みるためと思われます。今後は、ガイドラインの推奨もあり下部尿管結石にはもう少し積極的にTULを行なっていきたいと思います。

医師紹介

和食 正久 (わじき まさひさ)

副院長、昭和50年卒
■主な職歴
信州大学泌尿器科、諏訪赤十字病院、市立甲府病院、市立岡谷病院、市立大町総合病院
■資格
日本泌尿器科学会認定専門医・指導医
■専門分野
泌尿器科癌・尿路結石、男性不妊・排尿障害など

杵淵 芳明(きねぶち よしあき)

泌尿器科部長、結石治療センター長、平成5年卒
■主な職歴
信州大学泌尿器科、山梨県立中央病院、佐久総合病院、松本病院
■資格
日本泌尿器科学会認定専門医・指導医
日本がん治療認定機構認定医・暫定教育医
■専門分野
泌尿器科腫瘍・尿路結石 など

上野 学 (うえの まなぶ)

泌尿器科医師、平成15年卒
■主な職歴
信州大学医学部泌尿器科、長野市民病院、北信総合病院
■資格
日本泌尿器科学会専門医